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アウトワード・バウンドとは(About Outward Bound)


クルト・ハーン博士アウトワード・バウンドとは、1941年、イギリスを発祥とする、世界6大陸33ヵ国にネットワークを持つ非営利の世界的冒険教育機関です。アウトワード・バウンドが運営する学校を通称、OBS(Outward Bound School)と呼んでいます。日本においては、1989年、長野県小谷村に常設校を開校、以来20年間で約33,000人がアウトワード・バウンドのプログラムを体験しています。2006年には文部科学省より財団法人の認可を受けました。


OBSは大自然を舞台にした冒険活動(登山遠征、ロッククライミング、沢登り、マウンテンバイクでの遠征、カヤックなど)にチャレンジし、そこから、自己の中に秘められた可能性や他人を思いやる気持ちなど、豊かな人間性を育み、「社会の中で自己実現できる人」を育てることを目的に活動しています。また、子どもたちに対しても教室や日常生活では体験できない大自然の中での様々なチャレンジを通して、心が大きく揺れ、ひとりひとりが人として成長していく上での原点となる、「生きる力」を育むプログラムを提供しています。


主なプログラムとしては、青年層を対象とした「セルフディスカバリー」、子どもを対象とした「ジュニアアドベンチャー」、冒険教育の指導者育成を主な目的とした「指導者育成プログラム」があります。また、中高年層を対象とした「エンパワーメントプログラム」や学校団体向けプログラム、企業研修プログラム、野外救急法資格取得コースなど、年間を通して様々なプログラムを展開しています。


クルト・ハーン博士OBS発祥の地であるイギリスでは、船が出港する24時間前に船尾にある旗を揚げます。“アウトワード・バウンド”とは、船乗りの用語でその旗を指しており、旗が揚がることは船が出港前の最後の準備をしていることを表します。ここでいう最後の準備とは、若者が社会に出る前に大自然の中での体験を通して、本当の自分自身を知り、自分がどうありたいかという意志を持ち、そのことを社会の中で実現しようとする力(強い気持ち)を養うことです。






アウトワード・バウンドの使命(世界中のアウトワード・バウンドの共通使命~Outward Bound World Wide Mission Statement~


To help people discover and develop their potential to care themselves, others and the world around them through challenging experiences in unfamiliar settings.


人は「非日常(アウトワード・バウンドでは大自然を意味する)でのチャレンジ」という体験を通して、自己の中に秘められた可能性に気づき、高めることができる。ここで言う可能性とは、自分や他人、社会に関心を持つことで自分を高め、他人に対する思いやりや社会をよりよくしていこうと思う気持ちを持つことです。私たち、アウトワード・バウンドの使命は、その秘められた可能性に自ら気づき、高めることができるように支援することでです。



アウトワード・バウンドの基本理念
“ to serve to strive and not to yield ”


To serve 「奉仕」


人として奉仕の気持ちを持つこと。社会に役立つ人になること、すなわち社会の中で自己を発揮し、他人を思いやり、お互いを尊重することが大事だと唱えている。


To strive 「努力」


いつでも、どんなことに対してでも努力すること。人が本来持っている自主的で積極的な創造力や思考力、そして行動力を高め、生きていく上で乗り越えなければならない、様々な困難に精一杯努力し、立ち向かおうと唱えている。


Not to yield 「不屈」


常にチャレンジする気持ちを忘れないこと。どのような環境下、状況下においても簡単に諦めたり逃げ出したり、言い訳をするのではなく、困難に対して最後の最後までチャレンジしつづけようと唱えている。



クルト・ハーン博士

上記の理念に基づいて、アウトワード・バウンドのプログラムは考えられ、様々な冒険活動を通して「奉仕・努力・不屈」の精神を持つ若者を育成することを目的に活動しています。アウトワード・バウンドの創始者、クルト・ハーンは、「アウトワード・バウンドの教育法は痛みを伴うものである」と言っています。痛みとは、過去に経験のないことにチャレンジすること、初めて会う人とともにチャレンジすること、または、過去に経験のない役割をグループ内で試してみることなどが挙げられます。これらの痛みに個人、またはグループで挑戦し、乗り越え、達成する経験(その過程で起こる様々なプロセス)によってアウトワード・バウンドの目的を達成しようとプログラムは考えられています。







アウトワード・バウンドの歴史


クルト・ハーン博士アウトワード・バウンドの冒険教育プログラムは、イギリスの海運業で働く船乗りが、第二次世界大戦中の北大西洋で生き残るためのトレーニングが始まりでした。


1941年、イギリスのある海運会社ではドイツ軍の攻撃で多くの商船を失い、多くの船乗りが命を落としました。救命ボートに乗り込み、命拾いをした船乗りもいましたが、驚いたことに若い船乗りの生存率は、体力的にも劣る年配の船乗りの生存率よりも低かったのです。ローレンス・ホルト(海運会社の社長)はドイツ生まれの教育者、クルト・ハーンにこの事を伝えました。ハーンは、若者には経験が足りないが故にいざという時、肉体的にも精神的にも追い詰められた時に自信が持てず、簡単にあきらめてしまっていると考えました。年配の船乗りには、救命ボートで大海原をさまようという厳しい状況で生き残るための十分な経験と、その経験に裏打ちされた確かな技術や知識、そして何よりも「内なる強さ」を持っていたのです。


ハーンは、この問題を解決しようと、若い船乗りが危機に直面した時、より的確に、強い気持ちをもって対処できるようにトレーニングするため、世界初のアウトワード・バウンド・スクールを設立しました。彼のトレーニングは、強靭な肉体や様々な技術を身につけるためだけのものではなく、それらにも増して自分や仲間の命を守り、絶対に生き残るという強い気持ちを持つための、野外体験型の教育プログラムでした。
このようなユニークな始まりから、クルト・ハーン博士戦後、アウトワード・バウンドは様々な対象者に開かれた青少年教育プログラムとして、世界中に広まっていきました。日本でアウトワード・バウンドが本格的に始まったのは1989年。以来21年間で3万人以上の人がアウトワード・バウンドのプログラムを体験しています。







OBSの指導法


アウトワード・バウンドのプログラムでは、インストラクターは「支援者」の役割を果たします。先頭に立って参加者の方をリードし、助ける存在ではなく、参加者の方が思う存分チャレンジできるよう、その環境や設定を整え、安全を確保します。

また、その日のチャレンジ(体験)を整理し、次の日につなげるための「ふりかえり」をスムーズに行うための援助を行います。いざという時は頼れる存在ですが、参加者の方の積極的なチャレンジを陰ながら支えるのがOBSインストラクターです。


これは大人に限らず子どもたちのプログラムでも同じです。子どもたちの好奇心や可能性をそぎ落としてしまわないように、出来るだけ子どもたち自身で考え、行動できるように支援します。

そのため、出来ないことはしっかりアドバイスし、安全にチャレンジ出来るようにサポートします。逆に、子どもたちが出来ることは、子どもたち自身が動き出すまでしっかり待って考えさせ、自分たちでチャレンジするように見守ります。

大人の価値観や考え方を押し付けるのではなく、まずは子どもたちでやってみる、考えてみるというスタンスで関わっています。子どもたちにとって、「やらされる」チャレンジではなく、「自分でやってみる」チャレンジを提供します。






安全について


アウトワード・バウンドのインストラクターは、JALT(冒険教育指導者育成プログラム)を修了しています。冒険活動における技術や指導法、救急法などを身につけるため2ヵ月以上に及ぶ厳しいトレーニングを受けたプロフェッショナルです。コース中は、1グループ(5~10名)に2人のインストラクターがつき、事前の健康情報アンケートの確認に始まり、コース中の日々の体調確認、コース終了後の必要に応じたフォローアップなど、丁寧に対応させていただきます。安心してご参加ください。


《アウトワード・バウンドのインストラクターが持っている主な資格》

・AIL(Adventure Instructor License)資格…
 JALTを修了し、インターンを経て審査に合格した者が得られる資格

・日本赤十字社救急法救急員資格

・Wilderness First Responder(WFR)資格…
アメリカのWMA(Wilderness MedicalAssociates)が発行する野外救急法資格






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