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アウトワード・バウンドについて

アウトワード・バウンドとは

アウトワード・バウンドは、1941年にイギリスで発祥した世界33ヵ国220箇所以上の拠点を持つ非営利の冒険教育機関です。日本においては、1989年に長野県小谷村で常設校を開校しました。それ以来、約28年間で3万5千人以上の方々がアウトワード・バウンドのプログラムを体験しました。また、このほど兵庫県豊岡市に関西校を開校しました。

アウトワード・バウンドは大自然を舞台にしたチャレンジングな冒険活動(登山遠征、ロッククライミング、沢登り、カヤック、ヨットなど)に取り組み、そこから自己に秘められた可能性や他人を思いやる気持ちなどの豊かな人間性を育むことを目的に活動しています。また、子どもたちに対しても教室や日常生活では体験できない大自然の中での様々なチャレンジを通して、心が大きく揺れ、ひとりひとりが人として成長していく上での原点となる、「生きる力」を育むプログラムを提供しています。

主なプログラムには、青年から成人を対象とした「アウトワード・バウンド・コース(16歳以上)」、小学生と中学生を対象とした「ジュニア・アウトワード・バウンド・コース」、冒険教育や体験学習の指導者育成を主な目的とした「指導者養成コース」があり、年間を通して様々なプログラムを展開しています。また、企業研修や学校教育向けのカスタムプログラムの開発も行います。

アウトワード・バウンド発祥の地であるイギリスでは、船が出港する24時間前に船尾にある旗を揚げます。“アウトワード・バウンド”とは、船乗りの用語でその旗を指しており、旗が揚がることは船が出港前の最後の準備をしていることを表します。ここでいう最後の準備とは、若者が社会に出る前に大自然の中での体験を通して、本当の自分自身を知り、自分がどうありたいかという意志を持ち、そのことを社会の中で実現しようとする力(強い気持ち)を養うことです。

 

アウトワード・バウンドの使命

Outward Bound helps people discover and develop their potential to care for themselves, others and the world around them through challenging experiences in unfamiliar settings.

上記の使命を日本語に翻訳すると次のようになります。

アウトワード・バウンドは「非日常的な(アウトワード・バウンドでは大自然を意味する)チャレンジ」という体験を通して、自己の中に秘められた可能性に気づき、高めることを促します。ここで言う可能性とは、自分や他人、社会に関心を持つことで自分を高め、他人に対する思いやりや社会をよりよくしていく可能性のことです。

私たちアウトワード・バウンドの使命は人間に秘められた可能性に自ら気づき、高めることができるように支援することでです。

 

アウトワード・バウンドの歴史

Kurt Hahn

アウトワード・バウンドの冒険教育プログラムは、イギリスの海運業で働く船乗りが、第二次世界大戦中の北大西洋で生き残るためのトレーニングが始まりでした。

1941年、イギリスのある海運会社ではドイツ軍の攻撃で多くの商船を失い、多くの船乗りが命を落としました。救命ボートに乗り込み、命拾いをした船乗りもいましたが、驚いたことに若い船乗りの生存率は、体力的にも劣る年配の船乗りの生存率よりも低かったのです。ローレンス・ホルト(海運会社の社長)はドイツ生まれの教育者、クルト・ハーンにこの事を伝えました。ハーンは、若者には経験が足りないが故にいざという時、肉体的にも精神的にも追い詰められた時に自信が持てず、簡単にあきらめてしまっていると考えました。年配の船乗りには、救命ボートで大海原をさまようという厳しい状況で生き残るための十分な経験と、その経験に裏打ちされた確かな技術や知識、そして何よりも「内なる強さ」を持っていたのです。

ハーンは、この問題を解決しようと、若い船乗りが危機に直面した時、より的確に、強い気持ちをもって対処できるようにトレーニングするため、世界初のアウトワード・バウンド・スクールを設立しました。彼のトレーニングは、強靭な肉体や様々な技術を身につけるためだけのものではなく、それらにも増して自分や仲間の命を守り、絶対に生き残るという強い気持ちを持つための、野外体験型の教育プログラムでした。このようなユニークな始まりから、戦後、アウトワード・バウンドは様々な対象者に開かれた青少年教育プログラムとして、世界中に広まっていきました。日本でアウトワード・バウンドが本格的に始まったのは1989年。以来26年間で3万5千人以上の人がアウトワード・バウンドのプログラムを体験しています。

 

アウトワード・バウンドの指導法

アウトワード・バウンドのプログラムでは、インストラクターは「支援者」の役割を果たします。先頭に立って参加者の方をリードし、助ける存在ではなく、参加者の方が思う存分チャレンジできるよう、その環境や設定を整え、安全を確保します。また、その日の体験を整理し、次の日につなげるための「ふりかえり」をスムーズに行うための援助を行います。いざという時は頼れる存在ですが、参加者の方の積極的なチャレンジを陰ながら支えるのがアウトワードバウンドのインストラクターです。

これは大人に限らず子どもたちのプログラムでも同じです。子どもたちの好奇心や可能性をそぎ落としてしまわないように、出来るだけ子どもたち自身で考え、行動できるように支援します。そのため、出来ないことはしっかりアドバイスし、安全にチャレンジ出来るようにサポートします。逆に、子どもたちが出来ることは、子どもたち自身が動き出すまでしっかり待って考えさせ、自分たちでチャレンジするように見守ります。大人の価値観や考え方を押し付けるのではなく、まずは子どもたちでやってみる、考えてみるというスタンスで関わっています。子どもたちにとって、「やらされる」チャレンジではなく、「自分でやってみる」チャレンジを提供します。

 

安全について

アウトワード・バウンドのインストラクターは、JALT(冒険教育指導者育成コースを修了しています。冒険活動における技術や指導法、救急法などを身につけるため2ヵ月以上に及ぶ厳しいトレーニングを受けたプロフェッショナルです。コース中は、1グループ(5~11名)に2人のインストラクターがつき、事前の健康情報アンケートの確認に始まり、コース中の日々の体調確認、コース終了後の必要に応じたフォローアップなど、丁寧に対応させていただきます。安心してご参加ください。