OBSが我が国で活動を始めてから、今年で33年を迎えます。海外でその存在を知り、ぜひ日本でも広めたいという夢を分かち合った一握りの人たちの情熱が、それを実現させました。最初はあちこちを転々としながら小規模に、そして長野県小谷村に活動の拠点を見出してからは、着実に発展の歩みを進めてきました。これまでに活動に参加した人の数は、延べ8万4千人にも上り、彼らがOBSの立派なサポーターに成長しています。
しかし、活動が広まり、どんなに存在が知られるようになっても、なか評価されません、また公の支援を受けることもできません。そこで、平成5年頃から法人格を取るための取り組みが始まりました。あいにく経済は低迷を続けており、必要な基本財産を築くための寄付を集めることは容易ではありませんでした。法人格が無いために免税とならず、寄付が集まらないために法人格が取れない、といった悪循環が何年も続きました。そして関係者の努力がようやく実ったのは、平成18年のことです。もちろん法人格を取得したからといって、OBSの活動が変わったわけではありませんが、日本アウトワード・バウンド協会の目的と活動の実績が公に認められたことは、これまでの参加者を含む全ての関係者にとって、喜ぶべきことであるのは間違いありません。
自らを鍛え、自らを信じ、その上で他者と関わり、共通の目標のために助け合ってゆく、それがOBSの目指す生き方であり、いま、我が国で一番求められていることではないでしょうか。チャレンジのないところに明るい未来はない、そう信じて皆さんと共にOBSを運動として発展させていきたいと思います。
1972年、マレーシアで、冒険教育機関「アウトワード・バウンド・スクール」(OBS)の存在を知ってから35 年の歳月が経ちました。OBSの教育理念、「奉仕・努力・不屈」の精神で、「どのような困難に遭遇しても、決して挫けることのない強固な精神力」と「人に対する思いやり」を兼ね備えた青少年を育成する教育方法・哲理に感動し、未来の日本の教育を憂い、OBSを日本にも誘致したいとの思いを強くしたのが、この活動の始まりでした。
当初、OBSの誘致・設立運動を、東京青年会議所・日本青年会議所にて推進し、その後、私がこの設立運動を引き継がせていただきました。17年間の準備期間を経て、1989 年に日本OBSが創設されてから18年が経過しました。少しずつではありますが、社会的認知度も高まり、野外教育界でも影響力を発揮する立場になって参りました。現在では世界30カ国44校のネットワークを持っております。 目標でありました財団法人化によって、よりグローバルな対応のニーズが高まってきました。財団化への道程は長く険しいものでしたが、これも財団の基本財産へのご寄付をいただいた方々、国内外よりのご支援・ご指導・ご好意の賜物と、心より感謝申し上げる次第でございます。
財団法人という目標は達成いたしましたが、真の出発はこれからです。荒れた教育現場、益々エスカレートする凶悪犯罪、混迷する金融業界、今までに類を見ない天変地異、日本ばかりでなく、世界の未来を憂うることばかりが起こっています。このような時代だからこそ、OBSの「奉仕・努力・不屈」の精神で、困難に立ち向かう強い意思と、人を思いやる心に目覚めた若者が、夢と希望に満ちた新しい社会を構築することが求められていると、ひしと感じます。
OBSの理念と活動を広めるべく、この活動を、私のライフワークとして、邁進して参る所存です。今後も、OBSへの皆様の暖かいご支援、ご鞭撻を賜りたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。